BUNKOUDOU


スケッチブック

ここに1冊のスケッチブックがある。大きさはF2


1998年3月14日、父が腹痛を起こし薬を飲んでも効き目がないので
救急車で病院に向かうと連絡があった。
「腸閉塞」の状態のようで緊急手術。
術後、麻酔が切れて言葉を交わすことが出来て一安心した。
ところが、色々なことを考えるのか日が経っても元気なく気持ちが沈んでいるよう。
体力は仕方がないにしても落ち込んでいるのは気がかり。
何とか気力を奮い立たせて病気に打ち勝って欲しい。
ある日スケッチブックとコンテパステルなどを中身の見えるジッパー袋に入れ、
ベットの横に下げられるようにして持って行った。
「絵でも描かない?」
最初は気が乗らないようだったが時間を持て余したのか描き始めた。
看護婦さんが覗き込んで褒めてくれる。加速がついた。
顔つきが変わるほど元気になっていった。
私は絵が父を元気にし支えたのだと信じている。

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